たとえば、非可逆圧縮方式であるJPEG形式の画像は、画像処理ソフトでファイルを開いて、[名前をつけて保存]や[上書き保存]を行うと、それだけでもデータは劣化します。JPEGの画質設定を下げると画質が悪くなることとは別で、開いて保存するだけでも画質は劣化するのです。
理由は後にして、実際にやってみましょう。
このブログを表示したブラウザーを画面キャプチャーしたのち、簡易画像処理ソフトのJTrimに貼り付けます。そして、JPEG形式で保存したのが次の画像です。ファイル名は[Image00.jpg]としておきます。

一度JTrimを閉じてから、この画像を再びJTrimで開き、[名前をつけて保存]で"Image01.jpg"という名前をつけました。どちらの画像も、見ただけでは違いが分かりません。しかし、ファイルサイズは以下の通りになりました。
Image00.jpg - 52224バイト
Image01.jpg - 51712バイト
わずかながら画像が変化していることが分かります。
前回の記事「データの圧縮」で書いたように、JPEGは非可逆圧縮方式です。したがって、一度圧縮してから元に戻すと、元の画像には戻らないのです。「Image00.jpgは既にJPEG圧縮されて画質が下がったから、開いたり保存したりしても画質はこれより悪くなったりしないだろう」という理屈も成り立ちません。
JPEGの圧縮や展開には、複雑な実数計算が伴います。そして、コンピューターによる通常の実数計算ではどうしても誤差が伴うものです。そのため、圧縮処理・展開処理をすれば、多かれ少なかれ画質の劣化が生じます。「圧縮率を変えなければ画質劣化しない」と言われることも多いですが、間違いです。誤差を伴う計算を含んでいる以上、同じ圧縮率でも画質は劣化していきます。ただし、10回や20回繰り返しても見た目で判別はできませんので、実用上は問題ないといえます。
なお、Windows上のファイル操作でコピーや貼り付けをする場合には、圧縮・展開処理が行われないので、わずかな画質の劣化すらありません。画質の劣化はあくまで、画像処理ソフトで開いたり保存したときに生じるものです。
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それでも気にする場合はPNGなどの可逆圧縮方式を使う方法があります。