2010年10月26日

インフラただ乗り論

 インターネットに接続するにはインターネット・サービス・プロバイダー(ISP、または単にプロバイダー)に契約して料金を払うかと思います。たとえば契約したISPがKDDIのDionであればKDDIに支払うことが当然であり、契約していないOCNやYahoo! BBなどには料金を払わないことも当然といえます。
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 ところで、インターネットというのは通信の一種ですから、当然ながら通信相手もいます。普段ウェブでアクセスするウェブサーバーもどこかの会社が運営していて、その会社もどこかのISPに契約しています。

 ここで、Iuのインターネットサービスを利用しているUさんがW社のウェブサーバーにアクセスしたとしましょう。W社が契約しているISPはIw社です。このとき、Iw社がUさんにインターネットの料金を払えと言い出したらUさんはどう思うでしょうか。ほとんど架空請求と変わらないような不当な請求ではないかと思うに違いありません。もちろん、その逆もまたしかりで、ウェブサーバーを運営しているW社が、UさんのISPであるIu社に通信料金を支払う義務は一切ありません。
InfraFreeRide.png
 もし「Iu社がW社から通信料金を取り立てるのは正しい」と認めてしまうとかなり大変なことになります。W社にアクセスしてくるのは別にUさんだけではありせん。Uさんとは全然関係のないTさんもアクセスしますし、きっとSさんもアクセスしてくるでしょう。すると、W社はアクセスしてくる人の分だけISP に支払いが発生してしまいます。こんなことになってしまったら、ウェブサーバーを公開しようと思ったら莫大な通信料を払うことになってしまうため、インターネットの衰退を招きかねません。実際にはW社は、自分が加入していないIu社などに料金を払う義務は全くありませんから、今のところは大丈夫です。

 しかし、この場合のIu社がW社から料金を取り立てるべきだと主張をするISPはあるのです。そのようなISPの言い分は、次のようなものです。

「W社もコンテンツを提供するためにIu社から回線を使っているのだ。W社がIu社に料金を払わないのは通信インフラのただ乗りだ」

 この主張は正しくなく、Iu社は、Uさんから通信料金を取っているのですから、W社からも料金を取るというのは二重課金です。

  W社に当たるのはGoogleやYouTubeなど、大量の通信が発生しているコンテンツ会社です。今のところは普通程度の通信量でウェブサイトを運営しているサイトから料金を取る話は出ていませんが、もしインフラただの理論が正当化され、実際に通信量を取るようになったら、比較的通信量の少ないサイト運営者からも通信料金を取り立てるようになっていくのは間違いありません。そのような事態に陥らないよう、インフラただ乗り論を認めてはいけません。
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posted by 北条利彦 at 20:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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