2011年01月15日

IE6 No More 〜IE6が嫌われる理由〜

 パソコン初心者の多くが使っていると思われるウェブブラウザーであるInternet Explorer (IE)ですが、これの過去のバージョンであるIE6は技術者から嫌われています。
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 開発元のMicrosoftでさえIE6は腐った牛乳だと酷評するくらいですから、IE6の嫌われ方は相当なものです。ここでは、なぜIE6がこうなってしまったのかを書いていきます。

 まず、多くのウェブページは複数の種類のファイルが集まって構成されていることは認識しておいて下さい。ページの中身を記述するHTMLや、書式を記述するCSS(見出しは太字にするなど)、あるいはページの動きを記述するJavaScript(クリックするとポップアップが開くなど)などです。この3つはいずれも、記号や英字、場所によっては日本語の文字が書かれたファイルです。

 たとえばCSSは次のように記述することができます。
h1 { border:solid 1px red }
このように記述すると、一番大きな見出しが太い赤線で囲まれます。

 この他にもHTMLやCSSやJavaScriptは、どのように書いたらどのように表示され、どのように動くという規則があります、ウェブブラウザーはこれに従わなければなりません。これ以降、この規則のことを「ウェブの標準」や単に「標準」と書きます。

 さて、ウェブの標準を守れていなかったのがバージョン6以前のIEです。正確には、ある程度は守られていたものの、守られていない部分が多々あったというところです。例を挙げると、CSSで表を中央に寄せるための書き方が、IEでは正しく認識されませんでした。そのため、標準に従ってウェブページを作るとIEでは中央寄せされず、IEで意図した通りに表示されるように作ると、今度は他のブラウザーで中央寄せされなくなるのです。

 それで困ったのはウェブデザイナーです。IEを使用している人は多いため、IEでちゃんと表示できないページを作るわけにはいきません。ここで選択肢は2つに分かれます。他のブラウザーでも正しく表示できるように知恵を絞るか、他のブラウザーへの対応をあきらめるか、です。

 仮にIEでも他のブラウザーでも正しく表示できるようにする方針をとったとしましょう。一般に、ウェブブラウザーがHTMLをダウンロードして中身を読み込んだとき、よく分からないことが書かれていると無視するというルールがあります。そのため、IE向けの命令は他のブラウザーが無視したり、その逆になったり、ということがあります。この場合、両方の命令を書いておけば基本的にはどちらのブラウザーでも正常に表示されます。しかし、そう都合のいいものばかりではありません。IE以外のブラウザー向けにページを書いて、IEでも正しく表示されるようにIE向けの命令を書き足すと、今度はIE以外のブラウザーで正しく表示されなくなることもあるのです。そのため、何もかも両者に対応させるというのは難しいのです。

 そこで、IEだけは正しく表示できることを保証して、他のブラウザーへの対応をあきらめたデザイナーもいます。他のブラウザーで見られなくとも、顧客はIEしか使っていないからIEだけ対応すれば良いだろうという判断です。ところが、これがうまくいったのはIE6まででした。Microsoftが、IE7以降はウェブの標準に従って表示させようという方針をとったためです。IE向けに作ってきたウェブサイトは、ウェブの標準に従ったブラウザー(IE7を含む)では正しく表示されませんから、古いIE専用のサイトを仕事で使うような人たちは、IEをアップデートできなくなってしまったのです。その古いサイトを新しく作り替えれば済むのですが、それがなかなか進んでいません。

 さて、IE6が出回ってから10年近くが経過し、新しいブラウザーができたり、元からあったブラウザーも新しいバージョンが次々と出ました。そんな中、どのブラウザーでも正しく表示できるように対応してきた人たちも、そろそろIE6に対応するのは限界だということで、次々にIE6のサポート終了を発表しました。IE6を未だに使っている人は、これらのサイトを閲覧したときに正しく表示されなくなっていくのです。こうなってしまった原因として、ウェブの標準に逆らってIE6を実装したMicrosoftはもちろん悪いのですが、そんなIE6に合わせてしまったウェブデザイナーや、IE6を使ってしまったユーザーも悪いのです。

Google、IE6など古いブラウザのサポート終了へ
Yahoo!JAPANもIE6サポート終了へ
YouTube、3月13日にIE6など旧版ブラウザのサポート終了

 一度標準的な決まりとして定められてしまえば、それがくつがえることは滅多にありません。一方で、単なるアプリケーションの仕様は、バージョンアップすれば変わってしまうのです。ですから、標準に逆らう、あるいは標準的に定められていない方法を使うと、アプリケーションのバージョンアップ後にはうまく動かなくなるリスクを抱えることになります。
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タグ:IE
posted by 北条利彦 at 01:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | ウェブブラウザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも先日Yahoo!知恵袋で回答をいただいたものですけど
htmlでの銀行への振り込みにいての

あなたのプロフィールを拝見したところかなり詳しいようで、良かったら自分とコンタクトをとっていろいろ教えていただきたいのですが

まだ解決していないので

良ければコメントください!
Posted by レイン at 2011年01月21日 22:24
 Yahoo! 知恵袋には、既に投稿した質問に「補足」する機能があるので、追加で回答して欲しい場合はそれを使って下さい。

 それでも納得しきれないところがある場合は、一度質問を解決扱いにした後で、新しく質問するという手があります。その際は元の質問のURLを載せた上でどこに疑問が残っているか書くと、同じ質問・回答の繰り返しにならずに済みます。

 補足の有無にかかわらず、今日か明日の夜には、知恵袋の私の回答にもうすこし詳しい内容を書き足します。ただし、簡単に実現できるものではないということと、私の知識で全部実現できるわけではないことは認識しておいて下さい。
Posted by 北条(ブログ管理人) at 2011年01月25日 07:13
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