2011年05月29日

更新しないことの問題、勝手に更新されることの問題

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■古いバージョンを使い続けることの問題

 古いソフトウェアをいつまでも使用しているといろいろと問題が出てきます。

 その代表格がサポート切れです。バージョンが古すぎてサポートが打ち切られてしまうと、ソフトウェアに欠陥が見つかっても修正されなくなるのです。そのまま使うのは危険ですからソフトウェアの更新が必要になります。

 パソコンに詳しくない人はこのような事情を知らず、長らく更新しようとしない人が多々います。

 長期間更新しない理由をもうひとつ挙げると、新旧のバージョン間の互換性があります。古いバージョンにしか存在しない機能が必要であるとか、あるいは機能自体は存在しても、動作が異なるから新しいバージョンが使えないということです。以前の記事で取り上げた「IE6でしか正しく表示できないウェブサイトを作ってしまったから更新できない」というケースもこれに該当します。

 このようなことが原因で利用者はソフトウェアを更新しないという実体があります。一方で、開発元にとっては早めに利用者が更新して最新版に乗り換えてくれた方が都合がよいのです。なぜなら、自社製品に欠陥が見つかったらそれを修正する必要が出てくるためです。

 たとえばFirefoxはバージョン4.0と3.6がサポートされていますが、Firefoxに欠陥が見つかった場合、開発元であるMozillaは両方に対して更新版を作るする必要があります。もし利用者全員が4.0に乗り換えていたら、Mozillaは4.0の更新版を作ればすむので楽になります。

■強制的に更新されるソフトウェアの問題

 そこで、「強制的に更新してしまえ」という発想に出るソフトウェアもあります。新しいバージョンが出ているか勝手にチェックを始めて、出ていれば勝手に更新するわけです。こうすることで、先に挙げたような更新されないことによる問題は解決します。しかし、強制的に更新されるとそれはそれで問題があります。

 ソフトウェアの更新は、バグの修正のような小さなものでも、ソフトウェアの利用者にとってリスクが伴います。バグを修正するための更新版自体にバグが含まれている可能性があるためです。どんなにテストをしようとその可能性をゼロにすることはできません。また、機能の追加や変更を伴う更新の場合は先ほど指摘したような互換性の問題があり、更新することで古い機能が使えなくなることもあります。

 こういう場合、普通のソフトウェアであれば、コンピューターの管理者が更新の可否を判断し、利用者に対して「この更新は実施しないでくださいね」と通知したりするわけです。

 しかし、強制的に更新されるソフトウェアの場合はそれができません。最新版のソフトウェアに欠陥が含まれていた場合は次のバージョンが出るまで危険にさらされることになります。また、最新版になって必要な機能がなくなってしまったら、同じような機能を持つ別のソフトウェアを使うか、その機能自体をあきらめることになります。

 強制的に更新されるソフトウェアの例としてGoogle Chromeがあります。そしてGoogle Chromeには、それまで存在していた機能を削除してしまった例があります。H.264という形式の映像ファイルの再生機能がそれで、ウェブは無料であるべきというGoogleの思想に反するため、特許料が必要なH.264の再生機能は削除されました。特許料が払えないからという理由ではないのです。これは利用者不在の決定といえます。
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posted by 北条利彦 at 18:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | システム管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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