いまやコンピューターを使わない人でも「コンピューター・ウイルス」(以下、ウイルス)という用語は聞いたことがあるかと思います。ここのところインターネットに機密情報が漏えいした事件が後を絶ちませんが、あれもウイルスが原因となっているものが多いです。
そのウイルスですが、実体は「コンピューターに与える不正な命令」の一種です。ここでいう不正な命令というのは、コンピューターの利用者に害を与えるという意味です
不正でない命令はたとえば、メールソフトに送信先や本文を入力して送信ボタンを押すと電子メールが送信される命令です。一方、不正な命令は、利用者が操作しないのに勝手にメールを送ってしまう命令です。機能の上ではどちらもメールの送信でしかないのですが、人にとって害になるかどうかでウイルスと普通のプログラムが区別されます。
ウイルスといえどコンピューターへの命令に過ぎません。そのため、もともとコンピューターにできないことはウイルスにもできません。たとえば、電源供給がないパソコン上でウイルスが動作するということはありません。ネットワーク機能を持たないパソコンから電子メールを送信するということもありません。
■機能によるウイルスの分類
ウイルスを機能(症状)によって分類すると、狭義のウイルス、ワーム、トロイの木馬、スパイウェア、アドウェアがあります。それぞれの意味はこのようになっています。これらを総称して広義のウイルスであり、これはマルウェアとも呼ばれます。
狭義のウイルス
感染したコンピューターのみで動作し、ネットワークを介して増殖する機能はないものです。今ほどネットワークが普及していなかった頃に多かったもので、「ウイルスの感染を防ぐために出所不明のフロッピーディスクは開くな」などと言われていました。
ワーム
電子メールの添付ファイルなどを利用し、ネットワークを介して増殖し、潜伏、発症するものです。パソコンが勝手に再起動してしまう「ブラスター」や、ファイル共有ソフト「Winny」のネットワークにファイルを勝手に配布する暴露ウイルスが有名です。
トロイの木馬
外見は普通のアプリケーションですが、隠れて悪事を行います。
バックドア
一度パソコンに侵入した人が、再び侵入することを容易にするために設置するプログラムです。
スパイウェア
密かに個人情報の収集を行うものです。
アドウェア
広告を表示するものです。通常のプログラムに、目立った広告がついているというものが多いです。アドウェアには、プログラム本体から広告のみを取り除こうとすると、本体のプログラムがうまく動作しなくなるものもあります。
■感染場所によるウイルスの分類
感染場所によって分類すると次のようになります。
ブートセクター感染型
パソコン起動後最初に読み込まれるデータが入っている場所(ブートセクター)に不正な命令を書き込むものです。
ファイル感染型
新たにウイルスのファイルを作ったり、既存のプログラムを書き換え、そのファイルを実行するとウイルスが動作します。多くのウイルスがこれに該当します。
マクロ感染型
Microsoft Office文書ファイルに、不正な処理をするマクロを書き込むものです。マクロを使うと簡単にウイルスを作ることができるので注意が必要です。このウイルスに感染した文書でも、マクロを無効にした状態で文書を開くことで感染を防ぐことができます。
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